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02.高脂血症ってどんな病気?〜その1〜

 血液中のコレステロールや中性脂肪が多すぎる状態を高脂血症といいます。血液は、酸素や栄養を全身の細胞に送り届けていますが、コレステロールや中性脂肪などの脂質も本来は、体が必要とする栄養素の一つですが、多すぎると悪影響を及ぼします。しかし、すぐに体に異変が起こるわけではなく、徐々にコレステロールが血管壁にたまり血管の内腔を狭めて動脈硬化を促進し、生命に危険を及ぼす心筋梗塞や脳梗塞を発症するのです。そして、このような動脈硬化性疾患は脳血管疾患と心疾患を併せて実に日本人の死亡原因の約30%程度を占めています。

 脂質にはコレステロールと中性脂肪があることは先ほどもお話しましたが、コレステロールの中にも2種類あります。悪玉と呼ばれるLDLコレステロールと善玉と呼ばれるHDLコレステロールのことです。皆さんが、検査値で目にする総コレステロールはこのLDLとHDLコレステロールの総和をあらわしており、総コレステロールが軽度上昇を認めても、善玉のHDLコレステロールが非常に高い場合には、問題にならない場合もあります。次に、脂質について体のなかでどのように働いているかについて述べます。コレステロールや中性脂肪などの脂質は血液中に溶けないので(水と油のようなものです)、タンパク質のカプセルに入って血管内を移動します(リポ蛋白といいます)。コレステロールの製造や処理を行なう肝臓から、各部の組織にコレステロールを集めて肝臓に戻す収集屋さんがHDLというリポ蛋白なのです。LDLに運ばれるコレステロールが多いと動脈硬化は抑制されます。コレステロール自体に相違はないのですが、どの運び屋さんに運ばれるかによって作用が変わるのです。また、血液中に中性脂肪が多すぎると、反比例するように善玉のHDLコレステロールが減ってしまいますし、中性脂肪にはコレステロールが動脈壁に着きやすくする作用もあるため、動脈硬化を促進します。

 それでは、高脂血症になる原因はなんなのでしょうか?高LDLコレステロール血症については肥満、肉類の死亡やコレステロールの取り過ぎが誘因とされています。しかし、同様のコレステロールを摂取しても、コレステロールの上昇を認める人と、あまり上昇しない人がいます。この違いには遺伝的素因が関与すると考えられています。その他、甲状腺機能低下症や肝臓や腎臓の病気により二次的に起こる高コレステロール血症もあります。このように、高脂血症は遺伝的要因や二次的要因で起こることもありますが、なんといっても悪い生活習慣によって起こるものが多く、高脂血症の約80%を占めていると考えられています。日本の食生活はこの50年間に脂質全体の摂取量が約4倍に増加し、その中でも、肉などの動物性脂質の摂取は特に増加しています。一方、自動車の普及が進んだことによる運動不足も大きな原因のひとつと考えられます。我々の世代は言うまでもなく、子供達の世代は、より一層危険な状態になっているのではないでしょうか。一度、家庭内でも、スナック菓子の取り過ぎや、動物性脂肪の取り過ぎ、運動不足などを話題にしてみてはいかがでしょうか?

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