退院後の食事パートT

食事のポイント10か条

【1】バランス食
自分の好みにかたよらず、消化の良い食品を選びバランスのとれた食事を心がけましょう。

【2】食事のリズムを守りましょう
生活の習慣に合わせて、食事時間は規則正しく、お腹がすき過ぎないようにまた満腹にならないようにしましょう。

【3】分食のすすめ
胃がちいさくなっているので1回の分量をすくなくして食事の回数を増やすか、または、間食を取り入れましょう。

【4】消化の良い調理方法で消化を助ける
刻む、つぶす、すりおろす、煮る、焼く、蒸す、ゆでる、などの調理方法で細かくして消化を助ける工夫をしましょう。

【5】よく噛みましょう
ゆっくりとよくかんで食べましょう。噛む事で消化を助け吸収もよくなり便通にも効果があります。

【6】味付けは薄味に
塩辛いもの、甘味の強いもの、薬味などはすこしずつ使いましょう。

【7】繊維食品を上手に使いましょう
すじがある消化の悪い食品はひかえめにして葉菜類は葉先を細かく刻み軟らかくして食べましょう。

【8】カルシュウム食品は毎日摂りましょう
牛乳、ヨーグルト、チーズ、などかならず毎日摂るようにしましょう
乳酸菌はガスの発生を減らす効果があります。また日光浴も大切です

【9】貧血予防
鉄分が不足してくると貧血が起こります。レバー、卵、緑黄色野菜が不足しないようにしましょう。またビタミンCも鉄の吸収を助けます。

【10】心の安静
一番大切な事かもしれません。食欲などで他人と比べて悩むことはやめましょう。心配事、睡眠不足は食欲をなくします。
食事は楽しく食べましょう。



★退院後の食事の進め方


何時になったらこれが食べられる。
あれも食べられると思いを馳せながら
恨めしく、毎日の食事の参考にしておりました。

退院〜2ヶ月まで 2ヶ月から 6ヶ月から
肉類
鶏肉、(ササミ皮なし)、牛、豚肉(赤み)脂肪の少ないものをひき肉または薄切りで使いましょう。

牛肉のたたき(少量なら) ハム、ソーセージ、コンビーフ(消化が悪いので小量から)
魚類
白身魚(甘えびの刺身、煮魚、焼き魚、蒸し魚、バター焼き、)鮭水煮缶、はんぺん、つみれ、しらす干し、えび、かに

刺身(マグロ赤身)ちくわ、筋子、たらの子、

かまぼこ、(きざむ)さんま、さば、いわし、いくら、塩鮭、刺身(ぶり、トロ)揚げ煮(白身魚で少量から)


卵類
半熟卵、茶碗蒸、卵豆腐、ふわふわ卵、オムレツ、ポーチドエッグ、目玉焼き、卵とじ
卵焼き、いり卵、


茹で卵、 
卵グラタン
フライドエッグ
卵コロッケ
豆製品
豆腐、湯葉、豆乳、うずら豆(やわらか煮)、凍り豆腐、きざみ納豆、きなこ、焼豆腐

油揚げ、厚揚げ(油ぬき) 揚げだし豆腐、
おから、大豆煮豆、納豆
乳製品
牛乳、ヨーグルト、乳酸飲料、スキムミルク


チーズ(ソフトチーズ)
生クリーム
退院〜2ヶ月まで 2ヶ月から 6ヶ月から
野菜 芋類
はくさい、キャベツ、ほうれんそう、青菜、ねぎ(細かくきざむ)なす、かぼちゃ、トマト

きゅうり、人参、玉葱、カリフラワー、ブロッコリー、アスパラ、大根(おろし煮物)

長いも、サツマイモ、(少量)じゃがいも、里芋、

ピーマン、
オクラ、さやえんどう、
ニラ、春菊
切干大根、干瓢、せんキャベツ、朝漬け
果物
バナナ、メロン、りんご、もも洋ナシ、イチゴ、フルーツ缶(パインは除く)

みかん、すいか、 ぶどう、甘夏
穀類 粥、うどん、麩、トースト、柔らかご飯、そうめん

ご飯(普通のかたさ)、マカロニ
日本蕎麦、寿司(いかたこ貝はだめ)、スパゲティ

油脂類
バター、マーガリン、植物油、マヨネーズ、摺胡麻、練り胡麻
すべて量はひかえめに使用


ドレッシング 別になし
嗜好品
梅干(きざみ、つぶす)、鯛みそ、のり佃煮、練りうに、
ポタージュ、

せんべい、ビスケット、クラッカー、ホットケーキ、かすてらチーズケーキ、

ババロア、カスタードクリームジャム、ジュース、ゼリー(寒天はだめ)


アイスクリーム 葛餅、ミルク入りコーヒー、薄めの煎茶

【術後の外食の目安】

2ヶ月頃から
ホットケーキ
トーストセット
サンドイッチ(卵、野菜)
グラタン
スープ
卵 丼
親子丼
鍋料理
月見うどん
おじや
6ヶ月頃から
ハンバーグ、ビフテキ、焼肉、寿司
1年頃から
葛餅、ミルク入りコーヒー薄めの煎茶



★1年間控えた方がよい食品

ラーメン・餅・団子・赤飯
たべすぎになりがちで胃と腸のつなぎめに詰まる事がありますので避けるようにしましょう


いか・たこ・くらげ・ベーコン・鳥の皮・するめ
・枝豆の皮・小魚の佃煮・干物・ピーナッツ・入り豆
油がおおかったり、消化に時間がかかる食品です。


ごぼう・たけのこ・ふき・レンコン・とうもろこし・わらび・ぜんまい・きのこ類・海藻類・こんにゃく・菊・柿・梨・パイナップル
せんいが多くしょうかの悪い食品である。


にんにく・あさつき・とうがらし・わさび・カレー粉・こしょう
刺激となって胃腸の粘膜を充血させるが少量なら食欲増進剤として有効である。


濃いコーヒー・紅茶・緑茶・炭酸飲料
カフェインが胃腸の粘膜を痛めるので、なるべくひかえうすいものを少量にしましょう。炭酸飲料はガスができる原因になり、おなかがはる(胃ではガスは5倍に増える)


塩辛・味噌漬け・キムチ
塩味がつよく、他の食品をとらなくなるのでひかえましょう。


缶コーヒー・ようかん・ぜんざい・大福・スナック菓子
甘味の強い食品や油の多い食品はひかえましょう。


たばこ・アルコール
たばこはからだによくありません。これを機会にやめましょう
アルコールはひかえめにしましょう

これまでの事柄を参考にしてもらい
食欲と体調と相談しながら進めてください。


この内容は病院が発行している
【胃の手術を受けられる方・受けられた方へ】
に記載されており、退院が近くなった日に栄養士のSさんより
説明をうけた事柄です。この小冊子はこのほかにも
術前、術後の計画表、薬の事、術後の食事、退院後の献立表
なども載っておりとても参考になりました。


編集・発行・監修
新潟県立がんセンター新潟病院
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次は術後の食事アンケート結果です。