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     決して憚らず、枝ぶりも奢らず、華やかならずも桜花

--人の世に咲く花ならば、花の枝ぶり香りの華やかさはいらぬ、はばからず、おごらず、凛として地に根ざせ。        「奄美の島唄の一節の要約である。」
先人たちを泣かせた峠の登りつめたところに今年も「緋寒桜」(ひかんざくら)が淡い色の花を咲かせた。              当地はもう春である。
30数年前、我々を歓迎してくれた聖地「江田島」のそれとは、およそかけ離れた容姿の桜花である。
奄美の山々は「緋寒桜」の開花を皮切りに種々の木々が、無尽蔵と「水」の恵みを受けながら活気ずいて行く。
「季節は水車、めぐってまた春が来る」。
咲く時を知り、決して着飾らない、がどこかに確かに他とは違う気品を持つ「さくらばな」。
生徒でよかった。
江田島で本当によかった。 
「緋寒桜」が今年もまた同じ思いをさせてくれる。

                                              2002年1月27日        奄美大島 橋本