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リュウキュウアサギマダラチョウ

成虫で越冬する数少ない蝶の仲間である。
和名では最も長い名前でもある。
奄美大島が生息の北限とされている。
褐色を地に鮮やかな青の斑紋模様の羽根をたたみ、
冷たい北風が吹き込まない雑木林の木立に寄り添い、
集団で気温が15度以上になるのを待つ。

古来より奄美では、幾年生けるものすべてにそれぞれの神が宿るとされ
古老はそれらをもって幼子へ情操を教え、恩恵と自然節理の偉大さを説いた。

美しいが故に乱獲され、興味半分のやからの犠牲になる。
それでも、種を護るべく、人里離れた森の木立に運命を共にする仲間と一緒に雨風を
しのぎ
身じろぎもせず、「耐えて春を待つ」。

「耐えて春を待つ」。 手のひらにも満たない彼らに教えられる。






2002年1月21日   奄美大島       橋本 和昌